「雑観」コラム

(株)MS&Consulting社長、並木昭憲のブログです。 未来を担うビジネスマンや学生の方々に向けて、 政治・経済・社会・経営などをテーマに書き進めています。

2017-01-01から1年間の記事一覧

Vol.118 財政赤字が少なすぎる?! ~中野剛志氏に学ぶ~

ある経営者との会話 先日、台湾で活躍していらっしゃる日本人経営者の方とお話しする機会に恵まれました。 その際、印象的だったのが「1990年前後の日本(バブル期)や2000年前後の台湾と同じような雰囲気を今の中国から感じる」と実体験を踏まえておっしゃ…

Vol.117 四半期GDPと「雇用と賃金」

11月15日、四半期GDP(2017年7-9月度)一次速報が発表になりました。 四半期GDP速報 新聞等では ・実質GDP:年率換算+1.4%・7期連続プラス成長で「いざなぎ景気」超え・名目GDPの実額は546兆円と過去最高の水準 と好感されています。 7-9月GDP年…

Vol.116 緊縮財政とプラグマティズム

総選挙は自民党の圧勝、立憲民主党の躍進という結果になりました。 喫緊の課題として、トランプ大統領のアジア歴訪と北朝鮮情勢が気になりますが、今回は別の話題。 デフレと緊縮財政について、改めて考えてみます。 プライマリーバランス黒字化目標の呪縛 …

Vol.115 解散総選挙と北朝鮮情勢

ご挨拶 冒頭、会社のことに少し触れさせて頂きます。 10月5日に東京証券取引所マザーズ市場に上場致しました。 マネジメントの父と呼ばれるドラッカーが語った言葉・・・ 企業は社会のものであり、マネジメントの役割は、 「第一に、それぞれの組織に特有の社会…

Vol.114 北朝鮮問題と現実直視

トランプ大統領の国連演説 9月19日、トランプ米大統領が国連総会で演説しました。 何カ国かを名指しで非難したことや、『北朝鮮が核・ミサイル開発を加速させていることについて、「アメリカは、強さと忍耐を持ち合わせているが、アメリカと同盟国を守らざ…

Vol.113 GDP速報と経済対策

4-6月期名目GDP4.6%成長(年率換算) 8月14日に発表された4-6月期のGDP一次速報は、 「物価変動の影響を除いた実質ベースで前期比1.0%増、年率換算で4.0%増だった。プラス成長は6四半期連続。」 「生活実感に近い名目GDPは1.1%増、年率換算で4.6…

Vol.112 北朝鮮危機と国家主権

国会がいわゆる“もりかけ問題”や“日報問題”で空転を続けている間に、トランプ米大統領が北朝鮮の核の小型化に関連し、 『北朝鮮が米国を脅し続けるなら、同国は「炎と怒り、そして率直に言えば、世界がこれまでに目にしたことがないようなパワーに見舞われる…

Vol.111 炎上政治 ~東京都議選と内閣支持率~

東京都議選の結果と内閣支持率急落にみる「炎上」 前々回「民主主義の限界」について、前回は政治の役割の中で、一部「炎上」について触れましたが、その後の都議選での都民ファーストの圧勝、内閣支持率の急落を見ると、いよいよそれらが本格化してきたよう…

Vol.110 政治の役割:状況の中でバランスを見出す

内閣支持率低下 まず前回、加計学園を巡る国会論議などを念頭に、 「この状況、双方にとって都合がよい可能性すらあります。 野党は、現実的な優先順位を考えずに叩きやすいところを叩いていれば、強い支持層に顔が立つ上、自分の世界観も傷つきません。 与…

Vol.109 女性宮家と民主主義の限界

前回は、プライマリー・バランス黒字化目標を「変えるべきだ」という話をしました。今回は「変えるべきでない」ことから始めたいと思います。 女性宮家と女系天皇 天皇陛下のご譲位に関する特例法案(※法案名では退位)が成立しました。 特例法には賛成なの…

Vol.108 GDP速報と『プライマリー・バランス亡国論』

四半期GDP速報とデフレの加速 5月18日に衝撃の四半期GDP(速報値)が発表されました。 例えばこちらの記事。 『内閣府が18日発表した2017年1~3月期の国内総生産(GDP、季節調整値)の速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.5%増、…

Vol.107 朝鮮半島危機と国防について

約一ヶ月前まで森友問題一色だった報道が、連日、朝鮮半島危機を取り上げるようになりました。 28日に国連安保理の閣僚級会合が開かれれば、29日には北朝鮮が弾道ミサイル発射。対して米韓軍事演習に加え、日米英仏の4カ国共同訓練、海上自衛隊の「いずも」…

Vol.106 大義を持って、それに寄せていく ~政府と企業の役割~

都内では満開の桜の下、入学式・入社式などが行われました。 かたや世界では、トランプ大統領が「中国が北朝鮮に対する圧力を強めなければ、アメリカが単独で行動する」という発言をした数日後、北朝鮮がまたもやミサイル発射、さらに米中首脳会談の最中に、…

Vol.105 思考停止のリスク

前回、グローバリズムを先導してきた英米におけるブレグジットやトランプ大統領就任、大国の中で最も保護主義的な中国:習近平国家主席のダボス会議における保護主義批判などを取り上げ、「何でもあり」の世界が拡がっていると書きました。 こうしたフィクシ…

Vol.104 今、考えるべき「財政問題」と「拉致問題」

歪んだ世界 今年の1月。英米を中心に保護主義的な政策、というか行き過ぎたグローバリゼーションを是正する動きが生まれる中、ダボス会議の基調講演で中国の習近平国家主席が、反グローバリズム・保護主義を批判しました。 グローバリズムを先導してきた米…

Vol.103 真珠湾ビジターセンターと国家の独立

当社には5年に一度、休暇と旅費の一部を補助する「永年勤続旅行」という制度があるのですが、先週、それを活用してハワイに旅行させてもらい、その際、(当ブログで度々ご紹介している)参議院議員:青山繁晴氏が著書などでお勧めになっている真珠湾ビジタ…

Vol.102 自由貿易と保護貿易

本年最初のブログとなります。 皆さま、本年もよろしくお願いします。 今回は、年末年始に触れた三人の著名人・識者の発言を引用しながら、トランプ次期アメリカ大統領の出現で話題になっている「自由貿易と保護貿易」について考えてみたいと思います。 トラ…