「雑観」コラム

(株)MS&Consulting社長、並木昭憲のブログです。 未来を担うビジネスマンや学生の方々に向けて、 政治・経済・社会・経営などをテーマに書き進めています。

2016-01-01から1年間の記事一覧

Vol.101 日本経済の現在と未来

前回の投稿でも簡単に触れましたが、今年最後のブログでは2016年の日本経済を振り返ってみたいと思います。 皆様、本年も拙いブログにお付き合い頂き、誠にありがとうございました。 安倍首相の発言 安倍総理は今年、年頭の会見で、 「私は、デフレではない…

Vol.100 世論(せろん)と輿論(よろん) ~自分の頭で考える力~

当ブログについて 余り高い頻度で更新できない当ブログではありますが、お陰さまで100回目を迎えることが出来ました。毎回長文になってしまうにも関わらずお読み頂いている皆様、ありがとうございます。 2008年に、社長という役割を担うことになった直後にリ…

Vol.99 アメリカ大統領選の教訓 ~転換点に立つ世界~

「史上最低の大統領選」と呼ばれたアメリカ大統領選挙は、「史上最大の番狂わせ」で決着し、ご存知のようにトランプ氏が勝利しました。 次期大統領がイメージ通りの破壊者なのか、一部の人が言うように大統領になったら現実的な政策をとるのかはわかりません…

Vol.98 「他人(ひと)のために」という経営観・仕事観・人生観

先日、一年ぶりに上京した両親が実家に戻る帰り道、少し足を延ばして親代三代で靖国神社に参拝してきました。 ご存知のように、靖国神社には先の大戦をはじめ、1853年と言いますから黒船来航のあった年、明治維新前夜以降の様々な国難に際して、国の平安のた…

Vol.97 変化の兆し:グローバリズムをめぐる攻防

このブログで何度か、経済学者ダニ・ロドリック氏が著書の『グローバリゼーション・パラドクス』(白水社)などで提唱した ・ハイパーグローバリゼーション ・国民国家 ・民主政治 の三つは同時に達成できないという「世界経済の政治的トリレンマ」について…

Vol.96 日本人とアイデンティティー2 ~日韓合意10億円拠出~

8月末日、昨年末の日韓合意に基づき、韓国の「和解・癒やし財団」へ、日本から10億円が「ソウル・日本大使館前の“いわゆる慰安婦像”撤去前に」拠出されてしまいました。 安倍首相は朴大統領に日韓合意の「着実な実施」を要請したのだが… - 政治・社会 - ZAKZ…

Vol.95 日本人とアイデンティティー ~皇室のご存在~

先日、今上陛下がご譲位へのみこころ、お言葉を発せられました。 今上天皇 明仁陛下「お言葉」 - YouTube その勅語(ちょくご)に関連し、様々な政治家や識者の方が意見を述べられています。 女性天皇と女系天皇 そんな中、自民党の二階幹事長は25日、テレビ…

Vol.94 主義主張を超えて ~経済対策と日本の安全保障~

一水四見(いっすいしけん) 先日届いた手紙に「一水四見」という言葉が書かれていたので、どういう意味か調べてみると、「人間にとって飲み水にもなる川は、魚にとっては住処、天人には歩くことができる水晶の床、餓鬼にとっては飲もうとすると炎に変わる苦…

Vol.93 一致点を探す政治 ~経済対策と拉致問題~

参議院選挙が終わりました。 今回、東京都選出議員の公約を読みながら誰に投票しようか悩んでいる時に、6歳の息子から「やって欲しいことってなぁに?」と質問され、口にしてみて改めて認識したのですが、「経済対策=公共投資を中心にした大型財政出動によ…

Vol.92 イギリスのEU離脱とポピュリズム

今回は、世界の金融市場に衝撃を与えた英国のEU離脱について考えてみたいと思います。 続:エリートの劣化とポピュリズム 前回、舛添前都知事の問題を題材に「エリートの劣化」について考えましたが、より深刻なエリートの劣化とポピュリズムの症例に思えま…

Vol.91 エリートの劣化

舛添氏の私的流用問題と「エリートの劣化」 東京都知事の舛添要一氏が数々の政治資金の私的流用問題で辞任に追い込まれました。 事の経緯は報道が溢れていますので、食傷気味の人も多いでしょうから割愛しますが、メディアだけでなく、議会でも「せこい」と…

Vol.90 伊勢志摩サミットと「子象と鎖」

伊勢志摩サミット首脳宣言 去る5月27日伊勢志摩サミットが閉幕、首脳宣言が採択されました。今回、議長を務めた安倍首相は相当頑張られたと思います。 まずサミットに先立って各国を訪問し、世界経済の抱えるリスクと財政出動の必要性を訴えました。ドイ…

Vol.89 熊本・大分地震と拉致問題:「危機」と「機会」

熊本・大分の地震で犠牲となられた方々のご冥福を祈るとともに、被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げます。 熊本・大分地震 まず、作家・評論家の佐藤健志氏がブログで紹介されていた、熊本市付近にお住まいの中村龍也さんという方のフェイスブック…

Vol.88 クルーグマン教授の提言

少々時間があいてしまいましたが、前回の「国際金融経済分析会合」におけるスティグリッツ教授の提言に続き、今回は、もう一人のノーベル経済学賞受賞者クルーグマン氏からの提言をご紹介したいと思います。 首相官邸のホームページ「国際金融経済分析会合」…

Vol.87 財政政策の方針転換?とスティグリッツ教授の提言

前回の投稿以降、社業がなかなか忙しくニュースをしっかり追いかけることが出来ていなかったのですが、「消費税再増税の延期」「予算成立後の補正予算編成=財政出動」の方向に舵が切られつつあるようです。 安倍政権のこれまでの経済運営 第二次安倍政権は…

Vol.86 「硫黄島の戦い」と「生きる理由」 / 「成功体験」と「失敗体験」

3月に入り採用活動が本格化してきました。 今回は就活生も含めた若手ビジネスマン・マネージャーの方々に二つのことをお伝えできればと思います。 硫黄島の戦い「死ぬ理由」 この時期になると「東日本大震災」と共に、「硫黄島の戦い」が思い起こされます。…

Vol.85 無謬(むびゅう)神話の壁~失敗から学ぶ価値~

前回はマイナス金利について考えましたが、 ・中国バブルの崩壊 ・原油安による資源国経済の悪化 に加えて、 ・ドイツ銀行の巨額赤字を筆頭に欧州銀に対する不安の再燃 ・米国第4四半期のGDP速報値が減速 などが相次ぎ、マイナス金利の株価や為替に与える影…

Vol.84 日銀のマイナス金利政策とデフレ脱却

日銀によるマイナス金利政策 年明けから続いた株価低迷や世界的な市場の混乱を背景に、日銀は1月29日にマイナス金利導入を決めました。これまでの量的緩和(国債の買い取り)だけでなく、金利による金融緩和に着手したことは評価するのですが、果たして思惑…

Vol.83 波乱の年明け

今年最初の投稿となります。何とか小正月には間に合いました。 遅ればせながら、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 しかし残念ながら年末から年明けにかけて、余りおめでたくない出来事が頻発しています。 昨年末の投稿で、安倍…