「雑観」コラム

(株)MS&Consulting社長、並木昭憲のブログです。 未来を担うビジネスマンや学生の方々に向けて、 政治・経済・社会・経営などをテーマに書き進めています。

2014-01-01から1年間の記事一覧

Vol.62 2015年に向けて ~国家について考えてみよう~

今年最後の投稿です。一年間ありがとうございました。 当ブログも2年を超え、先日説明文を若干変更させて頂きました。政治や経済、社会、大切にしたい考え方などについて私なりの意見をお伝えすることで、(賛否はそれぞれの方にお任せしますが)一歩深く考…

Vol.61 投票に行こう ~無関心の弊害~

前回の投稿で、選挙に向けて「第一に政治家の人品骨柄をみる。自分でわからなければ信頼できる人に聞いてみる。第二に自分の争点を考えて、その分野だけでも候補者や政党の主張と実現可能性を確認する。また、その政策がどのような負の影響を与えるのかも知…

Vol.60 解散総選挙を考える

18日に安倍首相が記者会見を行い、21日の解散、12月の総選挙が決定しました。10日からの一週間余りで一気に解散に傾いた感があります。最終的なトリガーとなった7-9月期のGDP一次速報は、消費税増税の反動減を受けた4-6月期よりも悪い結果となり、衝撃…

Vol.59 デフレ脱却に向けて~消費税とグローバル化の弊害~

前回の投稿で、消費税再増税の可否判断は12月と書きましたが、前倒しの可能性が高まっています。11月17日に7-9月期のGDP一次速報値が発表になるのですが、それを受けて早々に延期(中止?)を判断し、解散総選挙を行うという説です。消費税増税法案は当時…

Vol.58 消費税再増税と財政均衡主義

消費税率10%への再引き上げ判断の時期は12月頃だと言われています。12月8日公表予定となっている7-9月期のGDP二次速報を受けて安倍首相が最終判断をされるのだと思いますが、様々な意見がメディアを賑わせています。今回は消費税再増税について考えてみ…

Vol.57 財政均衡主義の誤謬

前回書いたように、日本は財政出動によって景気浮揚を行う財政的な余裕があるにも関わらず、「財政均衡主義」に囚われてしまい、自ら首を絞めているということについて考えてみたいと思います。 財政均衡主義 財政均衡主義というのは、政府は無駄が多いから…

Vol.56 G20と日本機関車論

前回の投稿の後、スコットランド独立に関する投票が行われ、結果イギリスにとどまることにはなりましたが、世界各地の独立運動に影響を与えています。またアメリカは他国とも連携し、いわく付きの地シリア・イラクにおいてISIS(イスラム国)に対する空爆を…

Vol.55 保守のすすめ ~『フランス革命の省察』より~

前回、外国人労働者問題について、国体の面からみても彼らの人権の面からみても、試しにやってみて上手くいかなかったから元に戻しますというわけにはいかないのだから入口の段階でしっかりと議論をすべきだと書きました。 PPP/PFI(公共サービスの民営化)…

Vol.54 外国人労働者問題を考える

社長の並木です。 2014年4-6月期の四半期GDPが発表になりました。消費増税駆け込み需要の反動減が予想されていたとは言え、大変厳しい結果となりました。日本をデフレに陥らせた前回の消費税増税時(1997年4-6月期)と比べても、 名目GDP(対前期比・年率…

Vol.53 「グローバル資本主義」と「企業の本分」と「アベノミクス第三の矢」

社長の並木です。今回は、前回ご紹介した『グローバリズムが世界を滅ぼす』(エマニュエル・トッド、ハジュン・チャン、柴山桂太、中野剛志、藤井聡、堀茂樹:文春新書)から2~3の発言を紹介し、ドラッカーも引用しながら、経営や経済政策について考えて…

Vol.52 素直に喜べない法人税減税論

社長の並木です。去る6月24日、アベノミクスの経済政策の指針となる「骨太の方針」や「日本再興戦略改訂版」などが閣議決定されました。http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140624/plc14062420180028-n1.htm 今日はその中から法人税減税について考えて…

Vol.51 G1後の世界と安全保障・集団的自衛権

社長の並木です。前回ご紹介したように、世界に対する米国の影響力が薄れ、G1と言われたアメリカ一極体制が変化しつつあります。このような時代の転換点にいることを踏まえて、安全保障について考えてみたいと思います。 G1体制の変化 米国の一極支配体制の…

Vol.50 拉致問題・領土問題と民主主義・国家主権を考える

社長の並木です。先日、独立総合研究所社長の青山繁晴氏がインサイトコラムというラジオ番組で心に刺さる発言をしていらっしゃいました。考えるキッカケにして頂ければ思いますので、今回はその内容を中心にご紹介します。 日本の主人公は日本国民 以下の出…

Vol.49 グローバリズムvs民主主義

社長の並木です。最近「グローバル人材」という言葉をよく目にするようになりました。この言葉を聞く度に、何故「グローバリスト」を言わないのか不思議に思うのですが、それはさておき、世界ではグローバリズムそのものに影響を及ぼすような出来事が起こっ…

Vol.48 続々 『国家のツジツマ』に学ぶ ~近代合理主義と二元論~

社長の並木です。前回お話ししたように、今回も『国家のツジツマ~新たな日本への筋立て~』(佐藤健志・中野剛志著 VNC新書)から、近代合理主義や二元論の危険性について学び、改めて考えてみたいと思います。 近代合理主義とフランス革命 「近代合理主義…

Vol.47 続『国家のツジツマ』に学ぶ ~世界観の大切さ~

社長の並木です。「Vol.41 イズム・二元論の危険性 ~グローバル化や脱原発などを例に~」などで、一つのイデオロギーに固執したり、単純な二元論に陥ることの危険性についてお話ししてきましたが、前回もご紹介した『国家のツジツマ ~新たな日本への筋立て…

Vol.46 賃金上昇と雇用関連の政策 ~国家のツジツマ~

社長の並木です。いよいよ消費税が増税されました。今回は久しぶりに政治・経済の話題です。 日本経済の分岐点 今、日本経済は ①アベノミクスの第一の矢(異次元の金融緩和)、第二の矢(機動的な財政出動)が奏功し、デフレを脱却する。 ②消費増税等によっ…

Vol.45 「おもてなし経営企業選」の紹介と「強みを活かす」組織運営

社長の並木です。昨日、平成25年度「おもてなし経営」受賞企業が発表になりました。 おもてなし経営企業選について 「おもてなし経営企業選」とは、経済産業省主催で行われている取り組みで、 (1)社員の意欲と能力を最大限に引き出し、 (2)地域・社会…

Vol.44 成長について考える ~『人生に生かす易経』より~

社長の並木です。今回は、竹村亞希子氏が書かれた『人生に生かす易経』という本の内容をご紹介しながら、人の成長について考えてみたいと思います。 同書は著者ご自身が「私が易経を読む出発点になったのは、そこに書かれている龍の話にひかれたからです」(…

Vol.43 「南欧の造園」と「大衆化しないための自己懐疑」

社長の並木です。最近読んで衝撃を受けた本の一つに『保守とは何だろうか』(中野剛志著 NHK出版新書)があります。 コールリッジの「南欧の造園」 このブログでも再三、グローバリズムは今、歴史上初めて起こった現象ではなく、第一次世界大戦前にも第一次グ…

Vol.42 ハンナ・アーレント ~思考停止する大衆と思考する人間~

社長の並木です。先日、映画『ハンナ・アーレント』を観てきました。 ハンナ・アーレントと全体主義 ハンナ・アーレントという女性は1906年にユダヤ系ドイツ人として生まれ、第二次世界大戦中にナチスからの迫害を実体験。アメリカに亡命後、1951年に大著『…

Vol.41 イズム・二元論の危険性 ~グローバル化や脱原発などを例に~

社長の並木です。2008年のリーマンショック以降、世界は歴史の転換点を迎えています。こう書くと大仰ですが、要はこれまでの価値観・思想に基づいて行われてきた国の政策や企業の戦略による社会の矛盾が大きくなり、考え方そのものを変えなければいけない時…

Vol.40 会社って何? ~企業の役割と目的~

あけましておめでとうございます。社長の並木です。 2014年が皆さまにとって幸多き一年となることをお祈り致します。 新年最初の投稿では、「会社とは何なのか」という根本的な経営思想について、私の考えをお話ししたいと思います。就職活動を控えた学生の…