社長の「雑観」コラム

MS&Consulting社長、並木昭憲のブログです。 未来を担うビジネスマンや学生の方々に向けて、 政治・経済・社会・経営などをテーマに書き進めています。

Vol.8 政権選択選挙を迎えるにあたって~安部総裁の政策、金融緩和と財政出動(公共投資)について~

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安部総裁の「大胆な金融緩和策」の概要

  1. デフレ脱却の為に明確なインフレ目標(政権公約では2%)を設定し、目標達成に向けて政府と日銀がアコード(一致・調和)を組む。更に日銀法の改正にも触れる(日銀法改正は結果責任や説明責任を日銀総裁がとる事を示す)。
  2. 国土強靱化の原資として「建設国債」を発行し、必要であれば日銀が買い入れる。

【用語解説】

  • 中央銀行…銀行券(通貨(紙幣))を発行し、一般の銀行を相手に資金を貸し出す業務を担う銀行です。
  • 金融緩和…中央銀行が景気を刺激するためにとる政策で、市中への資金供給量を増やし、経済の活性化を促す政策です。
  • 建設国債…国が、道路や設備の建設などの公共事業費や出資金・貸付金の財源に充てるために発行する国債のことです。

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社長の並木です。今回は時事ネタを引用し、少々政治向きの話を絡めながら今後の日本経済や経営者の役割についてお話ししてみたいと思います。
※直近の話題ですので、当原稿は11月22日に執筆していることをご承知おきください。

■安部総裁が提唱する政策とは

衆議院の解散が決まり12月には3年数ヶ月ぶりの政権選択選挙が行われることになりました。その中で、もともと「国土強靱化基本法案」を提唱していた自民党の安倍総裁が「大胆な金融緩和」として、
 
デフレ脱却の為に明確なインフレ目標(2~3%)を設定し、目標達成に向けて政府と日銀がアコード(一致・調和)を組む。更に日銀法の改正にも触れて結果責任或いは説明責任を果たしうる状態をつくる。
国土強靱化の原資として「建設国債」を発行し、必要であれば日銀が買い入れる。
 
という主旨のことをお話しになったようです。これは、Vol.4「日本経済への3つの処方箋」で触れた

  • デフレ脱却(その為にデフレ下での消費税増税反対)
  • 円高是正(それによる輸出企業に対する過度のスパルタ状態の是正)
  • 防災・耐震・対津波対策による国民の安全の確保(その為に必要な金融緩和の実施)

という私が重要だと思っている政策の全てを網羅するものでしたので、期待を膨らませていました。

■日本の成長と安全には金融緩和と財政出動公共投資)が適策

そうしたら、市場がいきなり反応し、円安・株高。金融経済の動きの速さに妙な感心をしていたところ、総理・財務相・日銀総裁といった日本の政策決定を代表する方々が、一斉に反対の発言をされました。双方の内容をしっかりと確認したつもりですが、私としては日本経済の成長と将来にわたる日本人の安全の双方を考えた時に、金融緩和と財政出動公共投資)を行う方が適しているように思います。
 
このあたりの詳しい情報は作家の三橋貴明氏のブログ(http://goo.gl/VfJGc)に書かれています。とても勉強になると思うので興味のある方は読んでみてください。一例を挙げれば、「日銀の国債(直接)買い取りは禁じ手だ」という批判がありますが、安倍総裁は「直接」買い取りと言ったわけではなく、市中銀行(しちゅうぎんこう、中央銀行に対して、一般の預金者から金銭を預かり事業者などに貸し出す銀行)からの買い取りであれば通常の日銀が行っている活動(市場への貨幣供給量を増やす活動=買いオペレーション)である上、仮に直接であっても国会の議決を経れば法律的に問題がないようです。

■「建設国債」でデフレ脱却に近づく

我々は今、デフレ下で復興増税を負担することになってしまっていますが、金利1%を切る超低金利下で、「建設国債」は60年償還という長期国債のため低リスクであり、発行すれば確実に国の資産を生みます。「建設国債」を発行し防災対策が敷かれれば国民の安全を守ることにつながりますし、政府と日銀のアコードによって同時に「欧米並の」金融緩和になり、円高も是正されるでしょう。
 
私たちの暮らしや生活という実体経済に好影響が及ぶには何年か必要だと思いますが、「建設国債」による防災対策はその額以上の需要を生みます。需要不足がデフレの原因ですから、これはデフレ脱却が近づくことを意味します(公共投資には乗数効果というものがあります。この辺も機会があったらお話しします)。

■過剰なインフレは制御可能で、国の破綻の心配はない

国の借金が増えすぎて返済できずに過剰なインフレを引き起こす、国が破綻するという声も聞かれますが、そもそも以前書いたように、好景気になれば消費税法案の附則18条をクリアして消費税増税が発動されるというインフレを抑制する制御弁も用意されていますから、反対する理由がありません。

■経営者としての役割と誇り

これから衆議院選挙→新内閣による政策実行→参議院選挙→・・・と続いていく中、現状ではどのような政策が実行に移されるのか分かりませんが、経済人として国民の安寧と豊かさを目指す政治が為されることを期待し、同時にデフレ脱却が進んだ後、それを私たちの暮らしや生活に反映させていくのは、企業努力や利益の給与への還元といった経営者の役割・誇り次第であるとの覚悟も新たにしています。