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社長の「雑観」コラム

MS&Consulting社長、並木昭憲のブログです。 未来を担うビジネスマンや学生の方々に向けて、 政治・経済・社会・経営などをテーマに書き進めています。

Vol.2 グローバル化と生産性向上について

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生産性が向上すると、同じ労働量で供給を増やすことが出来ます。
――ちょっと待って、それって失業率が上がるということじゃない?

しかし、経済が停滞している今は、供給が増えても需要はなかなか増えません。そこで「グローバル化」が叫ばれます。
――でもそれって他国の需要や雇用を奪い取るってことじゃない?

皆様は、それについてどのように考えますか?

【用語解説】

  • 生産性:一般的には、モノやサービスの生産量を産出量、労働を投入量として測った時の「産出量/投入量」の比率を指します。
  • グローバル化:政治・経済・文化など、様々な側面において、従来の国家・地域の垣根を越え、地球規模で資本や情報、ヒト・モノ・カネのやり取りが行われることです。

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社長の並木です。
新聞やテレビでは良く、「グローバル化」「生産性向上」という言葉が使われます。生産性とは、上記のような定義で「労働者1人1時間あたりの生産性」=「労働生産性」を指すのが一般的です。生産性が向上すると、同じモノやサービスをより少ない設備・労働力・コストで作ることができるようになります。したがって、生産性が向上すると、同じ労働量で供給を増やすことが可能になります。
 
「生産性向上」は、企業経営を行い、利益を生み出すためには大切なことです。また、経済が成長している時であれば、供給が増えれば需要が増えます(新自由主義経済学などはこういう前提に立っている訳です)。しかし、経済が停滞している今はどうでしょうか? デフレが続いて日本人の平均給与は下がっています。不景気なので企業も投資をしません。そういう中で供給を増やしても、需要はなかなか増えません。そこで、需要を増やすには別のマーケットを開拓する必要があり、そのための手段として「グローバル化」が叫ばれるわけです。
 
しかし、超円高の中、世界の好況を引っ張ったアメリカの家計の需要がサブプライムローンバブルの崩壊で減少し、余波を受けたユーロ各国が金融危機の真っ只中にある為、新興国からの資金引き上げが起こって、新興国市場の成長も鈍化する。こんなグローバル化の悪影響もあるのです。その中でグローバル化によって成長する!というのは非常に難しいですし、仮に幸運に恵まれたとしても近隣窮乏化策と言われかねません。

では、どういう考え方が有効でしょうか。

「生産性向上」は経済発展の重要な要素ではありますし、「グローバル化」もそれが適している企業・時期には推進すれば良いですが、それだけでは、個々の企業の成長にはなっても、国の経済成長にはつながりにくいと言えます。ミクロ(企業)単位では正しい(或いは致し方ない)ことと、マクロ(国家)で取り組んで良いこととは違うケースがあるのです。企業は環境に適応して成長を続ける必要がありますが、国家も同様であり、両者が上手く補完し合えれば、今の企業やそれに関わる人、更には将来世代の幸福に繋がるということですね。

一時期、株主資本主義・利益至上主義が流行りましたが、経済というのはそもそも「経世済民=世を經(おさ)め、民を濟(すく)う」が語源ですから、バランスが重要です。また、「今の利益の最大化」が企業の目標では、社員にやりがいも生まれません。

主権者の一人として国がデフレ対策など国民の将来にわたる幸福の為に適切な政策を打つように 求める一方
企業の長期的な存続と成長を考え、
経営者は株主重視に偏りすぎず、成長したら社員の給与や雇用を増やす(生産性の面から見れば、短期的には悪化します)矜持を持つということです。
このように複数の価値観を「利益が全て」という極論に走らず、「不景気だから」と環境のせいにせず、現在と将来世代のために自分(達)に出来ることを多面的に考え、行動していきたいものです。

例えば我々が注目しているのは「付加価値向上」です。「価格競争」は消耗戦を戦っているようなものです。付加価値向上とは、より高付加価値のモノやサービスを生みだし、自社のファンをつくり、適正な価格で買っていただくという取り組みです。海外も良いですが、日本国内にも1億2,750万人の大きな市場があります。我々の取り組みだけでデフレ脱却が出来るとは努々思いませんが、付加価値向上の要素を重要視しながら、日本経済の活性化に少しでも貢献できるような活動を行っていきたいと願っています。