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社長の「雑観」コラム

MS&Consulting社長、並木昭憲のブログです。 未来を担うビジネスマンや学生の方々に向けて、 政治・経済・社会・経営などをテーマに書き進めています。

Vol.70 正しいことを、正しい理由で、正しいタイミングで行なう ~書籍『1分間自己管理』より~

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今回は少し趣を変えて、以前も紹介した当社のMS&Cスタンダード(※注)の中から、仕事に取り組む姿勢についてまとめたものの一つ『正しいことを、正しい理由で、正しいタイミングで行なう』をご紹介したいと思います。

 

若手ビジネスマンの方々や、現在就職活動中の皆さんの参考になれば幸いです。

 

※注:MS&Cスタンダードというのは社員からの発案で、当社の理念や経営指針、行動規範、その他大切にしている考え方などを解説した冊子です。

 

当社の行動規範の中には『正しいことを、正しい理由で、正しいタイミングで行なう』という一文があります。

この言葉は、「締め切りギリギリにならないと手がつけられず、徹夜になってしまう」という「先延ばし症候群」にある人が、仕事の仕方から人生の考え方までを見直していく『1分間自己管理』(ケン・ブランチャード、スティーブ・ゴットリー著 ダイヤモンド社)という本の中の一節「倫理憲章」からとったものです。『1分間マネジャー』が大ベストセラーとなった『1分間シリーズ』の一冊です。

 

以下、その本の抜粋をしながら考えてみましょう。

「倫理憲章」

・正しいことをやる。

・正しい理由でやる。

・正しい人たちとやる。

・正しいタイミングでやる。

・正しい順序でやる。

・全力を集中してやる。

・正しい結果を生み出す。

 (出典:同上 P54)

 

  • 正しいことをやる

さて、正しいこととはなんでしょうか。本には

「適“正”検査」

1,合法性

法律や社則に違反することにならないか。

2,公平性

短期的に見ても、長期的に見ても、関係者全員の公平が保てるか。Win-Winな関係を構築できるか。

3,自分の気持ち

そのことに誇りを持てるか。その行為が新聞に載ったとき、いい気分になれるか。家族に知られても、恥ずかしくないか。

(出典:同上 P60-61 “ ”は並木加筆)

と書かれています。普遍的な文章で書かれていますので、ケン・ブランチャード氏は米国人ですが文化の違う国でも適応できると思います。日本語でいったら「お天道様に恥ずかしくない」行ないか否かです。

 

  • 正しい理由でやる

正しいことであれば、まず間違いはないでしょうが、どのような動機で行うのかということも重要です。

世の中の殆どのことは他の人との関わりの中で成否が決まっていくからです。動機が「自分の私利私欲のため」では、それが発覚した瞬間、そのプロジェクトは迷走してしまいます。また、人間は自己正当化をしがちな側面を持っていますから、自分の利益などの結論が決まっていて、そこに誘導する方便ではないかを自問することで志も固まり、多少の困難にぶつかっても右往左往することがなくなります。

 

  • 正しい人たちとやる

正しい人たちとは誰でしょうか。基本的な価値観を共有できる人と一緒に取り組めば、不毛な混乱を避けられる上、お互いに励まし合い、正し合うことができます。しかし、考えることまで同じような人達の集まり、あるいはイエスマンの集まりになってしまうとアイデア多様性が生まれません。異なる考えをぶつけ合って、よりよい結論を生み出すという議論が生まれなくなってしまいます。

そのような建設的な議論を行うためには、当ブログ『Vol.38 議論について ~真っ当な議論が集合天才を生む~』で紹介したように、自分の立場や利益を守るために「見解を述べることだけを目的として、他者の言うことを聞かない」「相手を打ち負かすことを目的として、自説を変えない」という態度は御法度です。議論というのはその場に一人、私利私欲によって発言する人が紛れ込むと建設的なものにはなりません。

その為にも全員が『正しい理由でやる』必要があるのです。

Vol.38 議論について ~真っ当な議論が集合天才を生む~ - 社長の「雑観」コラム

 

  • 正しいタイミングでやる・正しい順序でやる

「正しいタイミング」と「正しい順序」で行なうことも重要です。ものごとには段取りがあり、何かが仕上がらないと次のことができないということがよく起こります。「壁ができないと、屋根はかけられない」といったことです。それを考えながら工程を設計し、更に後工程に配慮することが「正しい順序」です。

 

では「正しいタイミング」とは何でしょうか。

大きなことを始める時に注意する必要があるのは、好機到来の「兆し」のようなものがあるかどうかです。兆しすらないのに着手するのであれば、長期間の苦労を覚悟しなければなりません。一方、はっきりと好機が誰の目にも明らかになれば、他者の後塵を拝す可能性が高くなるので注意が必要です。

日常的に気をつけなければならないのは「優先順位」でしょう。

誰しも幾つものやるべき事を抱えていますので、スケジュールを組むときに優先順位づけすることが大切です。加えて、優先順位は状況によって変わりますので、例えば月初に決めた優先順位通りに一ヶ月過ごすことが正しいとは限りません。都度「今やるべきことはこれで間違っていないか」を考える習慣を持ちましょう。

一方で、どんな人でも自分の時間は一日24時間と限られています。その中で、家族も、顧客も、同僚も、会社も不幸にしないためには「やるべきでない事をやめる」ことも大切です。同書ではそれを「トリアージをかける」(災害医療などで使われる言葉:非常事態の際に、けがの程度や助かる可能性などによって負傷者に手当の優先順位をつけること)と呼んでいます。放っておけば仕事は増えるものです。抱えている仕事のなかで、理念や得たい成果の実現、家族や顧客・同僚・関係者の幸福に関連の薄いものは皆で知恵を絞ってトリアージをかけましょう。

 

そうして、意欲と情熱を持って献身的に「全力を集中して」取り組めば、「正しい結果」が得られる筈です。

もし、それでも運が味方せず、思い通りの成果が生まれなかったとしても、恥じることはありません。その経験は人間性と能力、信頼感の醸成に必ずつながっています。

 

※以上、『1分間自己管理』(ケン・ブランチャード、スティーブ・ゴットリー著 ダイヤモンド社)を一部抜粋・参照して作成

 

これからも、政治経済や思想に関連するものだけでなく、仕事や経営に対する考え方などについてもご紹介していきたいと思います。