社長の「雑観」コラム

MS&Consulting社長、並木昭憲のブログです。 未来を担うビジネスマンや学生の方々に向けて、 政治・経済・社会・経営などをテーマに書き進めています。

Vol.45 「おもてなし経営企業選」の紹介と「強みを活かす」組織運営

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 社長の並木です。昨日、平成25年度「おもてなし経営」受賞企業が発表になりました。

  • おもてなし経営企業選について

 「おもてなし経営企業選」とは、経済産業省主催で行われている取り組みで、

 (1)社員の意欲と能力を最大限に引き出し、

 (2)地域・社会との関わりを大切にしながら、

 (3)顧客に対して高付加価値・差別化サービスを提供する

経営を「おもてなし経営」と呼び、全国各地のサービス事業者が目指すビジネスモデルの一つとして推奨。こうした「おもてなし経営」を実践し、少子高齢化、都市部への人口集中等による国内市場の競争激化、グローバル化への対応等の厳しい環境下においても、価格競争に陥ることなく、顧客のニーズに合致したサービスを継続的に提供し、「顧客」のみならず「社員」、「地域・社会」から愛されているベストプラクティス企業を全国各地から発掘し、経営改革のヒントとなる取り組みを紹介するという試みで、今年度が二回目の発表となります。(出典:おもてなし経営企業選ホームページより引用・参照)

 当社は、社員のやり甲斐や満足度を高め(Employee Satisfaction=従業員満足度)→それを原動力にお客様の満足・お客様からの「ありがとう」を集め(Customer Satisfaction=顧客満足度)→愛顧客化によって業績向上につなげていく。そして上がった利益を源泉に社員のやり甲斐やスキル、働きやすさを更に高める施策を実施し→更にCSを向上させ→業績も・・・・・・といったスパイラルアップを実現する企業文化構築のお手伝いを本業としていますので、趣旨に賛同し、二年間事務局を勤めさせていただきました。

 下記URLから全国各地の受賞企業の取り組みを読むことができますので、是非ご覧ください。

<平成25年度版おもてなし経営企業選>

 http://omotenashi-keiei.go.jp/

 

  • 強みを活かし、弱みを無きものにする

 さて、当社には「強みを活かし、弱みを無きものにする」という指針があります。この言葉は有名なP.F.ドラッカー氏によるものですが、社員のやり甲斐を高め、お客様に愛され、更に業績・成果にも好影響を与える組織運営の肝となる考え方の一つだと思いますので、この機会にご紹介したいと思います。

 ドラッカー氏は「人の強味よりも弱味に目が行く者をリーダーにしてはならない。人の強味に目が向かない者は組織の精神を損なう」(出典:『ドラッカー入門―万人のための帝王学を求めて』 上田惇生著 ダイヤモンド社)とも言っています。別の書籍から引用すれば、「強みよりも弱みに目を向け、『何が出来るか』ではなく、『何が出来ないか』を出発点にすると、組織の士気はこれ以上ないほど低下するだろう」(出典:『ドラッカーへの旅―知の巨人の思想と人生をたどる』 ジェフリー・A・クレイムズ著 ソフトバンク・クリエイティブ)というわけです。

 そして、「何事かを成し遂げられるのは、強みによってである。弱みによって何かを行うことはできない」(出典:『明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命』 P.F. ドラッカーダイヤモンド社)とも語ります。確かに何らかの成果を上げるのは強みが具現化された時です。そして前回の投稿でも書いたように、成果を上げたという成功体験が、その人の自信になり、お客様や会社に貢献できたことがやり甲斐につながり、発揮能力の向上と自己研鑽の継続が期待できます。

 ただしドラッカー氏は「誰もが、自分の強みはよくわかっていると思う。しかし、たいていは間違っている。わかっているのはせいぜい弱みである」(出典:『明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命』 P.F. ドラッカーダイヤモンド社)と釘をさしています。だからこそ、皆が、自分と周囲の人たちの強みに目を向け、活かしあうことが必要なのです。

 弱みばかりを指摘されれば、人は萎縮し本来持っている力さえ発揮できません。一方で、強みに目を向け、承認し、生かし合う組織ができれば1+1を2ではなく、3にも4にもすることができます。加えて、多様な強みと弱みを持った人間が集まれば、私の弱みを、隣の人が強みとして持っているかもしれません。そうすると、チームを組むことで弱みをなきものにできる可能性が生まれるのです。これが組織運営・チームビルディングの妙です。理想の組織に近づくために、強みを活かし合い、弱みを薄め合う組織を目指し続ける価値があるのではないかと思うのです。

 人は様々な理由で、他人の欠点に目が行きがちです。同僚が優秀であれば嫉妬、時には部下が優秀な時に自分の役割を奪われるのではないかという恐れ、自分のコンディションが悪いときには劣等感や自己欺瞞が目を曇らせます。しかし、好不調は誰にでもあること。そして個性があるからこそ、理想の組織に向かってお互いを支え合うことができるのです。

 

  • 個人の成長における弱みの捉え方

 このようにチームビルディング次第で弱みをなきものにする、あるいは限りなく薄めていくことはできますが、個人の成長を考えた時にはどうでしょうか。自分の経験を振り返ってみても、とてもではないが自分には適性がないと思っていた分野で、意外に活躍できたこともあります。これについては二種類に分けて考える必要があると思います。

①社会人として、あるいは所属する組織のメンバーとして必要な常識・スキル・知識について

 「強みを活かす」を強調しすぎると、得意分野さえできれば、例えば自分のルーズさといった社会人としての基本的な部分に目をつぶって貰えるのではないかという誤解が生まれることがあります。当然それは間違いで、これらのことは否応なく習得せざるを得ません。強みを活かして仮に成果を上げられても、ルールを守れず、周囲に悪影響を及ぼし続けるのでは差し引きするとマイナスの影響を与えているかもしれません。「強みに目をやる」企業文化のある会社なら、ある程度は温かく見守ってくれると思いますので、その間に改善をすることです。

②自分の弱み(と思っている)分野を任された場合

 これはある意味キャリアにおけるアイデンティティーの危機です。ただ「危機」という言葉は「危ない」という字と「機会」という字からできています。案外、新しい自分の可能性を発見する機会になるかも知れません。この場合は3年前後の年限を区切って、精一杯(とはいっても過剰に自分を追い込まず、上手くいかないときは「人事の責任だ」位に割り切って)頑張ってみたらどうでしょうか。前回投稿に書いた守破離の「守」から始めるのです。その分野で優秀な人のやり方を学び、量稽古を繰り返す。それでも芽が出ければ転属願いを出したらよいと思います。人間は誰しも万能ではありません。ある分野の強みがなくても、他に必ず強みはありますから切り替えが大切です。数年の回り道になるかも知れませんが、苦労した時期の経験は必ず将来生きてくるものです。

 

 若い社会人の方々には、社会人として、また属している組織の一員としての必要条件である常識やルール、スキルを身につけながら、最初の「強み」を創り出すことに注力して欲しいと思います。