Vol.3 「企業は環境適応業である」~デフレ下における日本の経済政策について~
★ポイント…デフレ下では、失業者が増え、職に就いていても平均給与が下がる
<デフレの構造=デフレスパイラル>
可処分所得が減ったり、将来不安を抱いたりして消費が増えない
↓
商品・サービスが売れないから価格を下げる
↓
値下がり分が巡り巡って会社の業績を圧迫する
↓
給与の低下やリストラ(コストカット)につながる
↓
その繰り返し・・・
社長の並木です。前回、「主権者の一人として国がデフレ対策など国民の将来にわたる幸福の為に適切な政策を打つように求める」ことも必要だと書きました。今週から2~3回かけて、今の日本に適した経済政策について考えてみたいと思います。
企業が個々に努力し成長を目指すことは当然ですが、現在の日本経済全体を考えた時の諸悪の根源は「デフレ」です。何故デフレが問題なのかを端的に言うと、失業者が増え、平均給与が下がるからです。つまり、
■可処分所得が減ったり、将来不安を抱いたりして消費が増えない
↓
■商品・サービスが売れないから価格を下げる
↓
■商品・サービスの値段が下がると喜ぶ人が多いですが、消費者は同時に(商品・サービスの)生産者・提供者ですから、値下がり分は巡り巡って自分たちの会社の業績を圧迫し、ひいては自分の給与の低下につながる
という悪循環を延々と拡大再生産していってしまうのです。
私が新卒で入社した経営コンサルティング会社には「企業は環境適応業である」という教えがありました。繰り返しとなりますが、企業が不況下でも存続し成長する道を探すのは当たり前のことです。
では、国の政策はどのような役割を果たすのでしょうか?歴史が育んだ文化や風土、慣習、或いは最近問題になっている領土などは、連綿と育み続け、子孫に残していかなければなりません。一方、経済政策に関して言えば、企業戦略と同じように環境に適応して変更していくことが大切です。
簡単に言えば、インフレ期にはインフレ対策、デフレ期にはデフレ対策が必要です。それが不十分だと、企業も、そこで働く個人も必要以上に厳しい環境の中で努力を強いられることになってしまうからです。適切なトレーニングは身を鍛えますが、スパルタが過ぎるのは問題だということです。
次回はこうした視点からの対策をいくつかお話したいと思います。