社長の「雑観」コラム

MS&Consulting社長、並木昭憲のブログです。 未来を担うビジネスマンや学生の方々に向けて、 政治・経済・社会・経営などをテーマに書き進めています。

Vol.62 2015年に向けて ~国家について考えてみよう~

今年最後の投稿です。一年間ありがとうございました。 当ブログも2年を超え、先日説明文を若干変更させて頂きました。政治や経済、社会、大切にしたい考え方などについて私なりの意見をお伝えすることで、(賛否はそれぞれの方にお任せしますが)一歩深く考…

Vol.61 投票に行こう ~無関心の弊害~

前回の投稿で、選挙に向けて「第一に政治家の人品骨柄をみる。自分でわからなければ信頼できる人に聞いてみる。第二に自分の争点を考えて、その分野だけでも候補者や政党の主張と実現可能性を確認する。また、その政策がどのような負の影響を与えるのかも知…

Vol.60 解散総選挙を考える

18日に安倍首相が記者会見を行い、21日の解散、12月の総選挙が決定しました。10日からの一週間余りで一気に解散に傾いた感があります。最終的なトリガーとなった7-9月期のGDP一次速報は、消費税増税の反動減を受けた4-6月期よりも悪い結果となり、衝撃…

Vol.59 デフレ脱却に向けて~消費税とグローバル化の弊害~

前回の投稿で、消費税再増税の可否判断は12月と書きましたが、前倒しの可能性が高まっています。11月17日に7-9月期のGDP一次速報値が発表になるのですが、それを受けて早々に延期(中止?)を判断し、解散総選挙を行うという説です。消費税増税法案は当時…

Vol.58 消費税再増税と財政均衡主義

消費税率10%への再引き上げ判断の時期は12月頃だと言われています。12月8日公表予定となっている7-9月期のGDP二次速報を受けて安倍首相が最終判断をされるのだと思いますが、様々な意見がメディアを賑わせています。今回は消費税再増税について考えてみ…

Vol.57 財政均衡主義の誤謬

前回書いたように、日本は財政出動によって景気浮揚を行う財政的な余裕があるにも関わらず、「財政均衡主義」に囚われてしまい、自ら首を絞めているということについて考えてみたいと思います。 財政均衡主義 財政均衡主義というのは、政府は無駄が多いから…

Vol.56 G20と日本機関車論

前回の投稿の後、スコットランド独立に関する投票が行われ、結果イギリスにとどまることにはなりましたが、世界各地の独立運動に影響を与えています。またアメリカは他国とも連携し、いわく付きの地シリア・イラクにおいてISIS(イスラム国)に対する空爆を…

Vol.55 保守のすすめ ~『フランス革命の省察』より~

前回、外国人労働者問題について、国体の面からみても彼らの人権の面からみても、試しにやってみて上手くいかなかったから元に戻しますというわけにはいかないのだから入口の段階でしっかりと議論をすべきだと書きました。 PPP/PFI(公共サービスの民営化)…

Vol.54 外国人労働者問題を考える

社長の並木です。 2014年4-6月期の四半期GDPが発表になりました。消費増税駆け込み需要の反動減が予想されていたとは言え、大変厳しい結果となりました。日本をデフレに陥らせた前回の消費税増税時(1997年4-6月期)と比べても、 名目GDP(対前期比・年率…

Vol.53 「グローバル資本主義」と「企業の本分」と「アベノミクス第三の矢」

社長の並木です。今回は、前回ご紹介した『グローバリズムが世界を滅ぼす』(エマニュエル・トッド、ハジュン・チャン、柴山桂太、中野剛志、藤井聡、堀茂樹:文春新書)から2~3の発言を紹介し、ドラッカーも引用しながら、経営や経済政策について考えて…

Vol.52 素直に喜べない法人税減税論

社長の並木です。去る6月24日、アベノミクスの経済政策の指針となる「骨太の方針」や「日本再興戦略改訂版」などが閣議決定されました。http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140624/plc14062420180028-n1.htm 今日はその中から法人税減税について考えて…

Vol.51 G1後の世界と安全保障・集団的自衛権

社長の並木です。前回ご紹介したように、世界に対する米国の影響力が薄れ、G1と言われたアメリカ一極体制が変化しつつあります。このような時代の転換点にいることを踏まえて、安全保障について考えてみたいと思います。 G1体制の変化 米国の一極支配体制の…

Vol.50 拉致問題・領土問題と民主主義・国家主権を考える

社長の並木です。先日、独立総合研究所社長の青山繁晴氏がインサイトコラムというラジオ番組で心に刺さる発言をしていらっしゃいました。考えるキッカケにして頂ければ思いますので、今回はその内容を中心にご紹介します。 日本の主人公は日本国民 以下の出…

Vol.49 グローバリズムvs民主主義

社長の並木です。最近「グローバル人材」という言葉をよく目にするようになりました。この言葉を聞く度に、何故「グローバリスト」を言わないのか不思議に思うのですが、それはさておき、世界ではグローバリズムそのものに影響を及ぼすような出来事が起こっ…

Vol.48 続々 『国家のツジツマ』に学ぶ ~近代合理主義と二元論~

社長の並木です。前回お話ししたように、今回も『国家のツジツマ~新たな日本への筋立て~』(佐藤健志・中野剛志著 VNC新書)から、近代合理主義や二元論の危険性について学び、改めて考えてみたいと思います。 近代合理主義とフランス革命 「近代合理主義…

Vol.47 続『国家のツジツマ』に学ぶ ~世界観の大切さ~

社長の並木です。「Vol.41 イズム・二元論の危険性 ~グローバル化や脱原発などを例に~」などで、一つのイデオロギーに固執したり、単純な二元論に陥ることの危険性についてお話ししてきましたが、前回もご紹介した『国家のツジツマ ~新たな日本への筋立て…

Vol.46 賃金上昇と雇用関連の政策 ~国家のツジツマ~

社長の並木です。いよいよ消費税が増税されました。今回は久しぶりに政治・経済の話題です。 日本経済の分岐点 今、日本経済は ①アベノミクスの第一の矢(異次元の金融緩和)、第二の矢(機動的な財政出動)が奏功し、デフレを脱却する。 ②消費増税等によっ…

Vol.45 「おもてなし経営企業選」の紹介と「強みを活かす」組織運営

社長の並木です。昨日、平成25年度「おもてなし経営」受賞企業が発表になりました。 おもてなし経営企業選について 「おもてなし経営企業選」とは、経済産業省主催で行われている取り組みで、 (1)社員の意欲と能力を最大限に引き出し、 (2)地域・社会…

Vol.44 成長について考える ~『人生に生かす易経』より~

社長の並木です。今回は、竹村亞希子氏が書かれた『人生に生かす易経』という本の内容をご紹介しながら、人の成長について考えてみたいと思います。 同書は著者ご自身が「私が易経を読む出発点になったのは、そこに書かれている龍の話にひかれたからです」(…

Vol.43 「南欧の造園」と「大衆化しないための自己懐疑」

社長の並木です。最近読んで衝撃を受けた本の一つに『保守とは何だろうか』(中野剛志著 NHK出版新書)があります。 コールリッジの「南欧の造園」 このブログでも再三、グローバリズムは今、歴史上初めて起こった現象ではなく、第一次世界大戦前にも第一次グ…

Vol.42 ハンナ・アーレント ~思考停止する大衆と思考する人間~

社長の並木です。先日、映画『ハンナ・アーレント』を観てきました。 ハンナ・アーレントと全体主義 ハンナ・アーレントという女性は1906年にユダヤ系ドイツ人として生まれ、第二次世界大戦中にナチスからの迫害を実体験。アメリカに亡命後、1951年に大著『…

Vol.41 イズム・二元論の危険性 ~グローバル化や脱原発などを例に~

社長の並木です。2008年のリーマンショック以降、世界は歴史の転換点を迎えています。こう書くと大仰ですが、要はこれまでの価値観・思想に基づいて行われてきた国の政策や企業の戦略による社会の矛盾が大きくなり、考え方そのものを変えなければいけない時…

Vol.40 会社って何? ~企業の役割と目的~

あけましておめでとうございます。社長の並木です。 2014年が皆さまにとって幸多き一年となることをお祈り致します。 新年最初の投稿では、「会社とは何なのか」という根本的な経営思想について、私の考えをお話ししたいと思います。就職活動を控えた学生の…

Vol.39 大切な資質:「誠実さ」 について

社長の並木です。先日、採用活動とは関係なく、お世話になっている方からの依頼で、学生の方々に対して、自分の社会人としての経験やそこから学んだことをお話しする機会を得ました。一方、社内では当社の理念や大切にしている考え方、ルールなどをより深く…

Vol.38 議論について ~真っ当な議論が集合天才を生む~

社長の並木です。今日は「議論」について考えてみたいと思います。 今、世の中は歴史の転換点を迎えているように思います。過去に遡れば、世界大恐慌に対応するためにケインズ経済学が生まれ、グローバル化による危機を抑えるべく戦後のブレトンウッズ体制が…

Vol.37 消費増税考②~建設業の供給力不足とコストプッシュインフレ~

社長の並木です。前回、消費増税に反対の意見を述べた上で、景気への悪影響を減殺するため、金融緩和と共に、その資金を実体経済に引っ張ること。即ち、東北の復旧と将来の防災に向けた国土強靱化投資を軸にして、政府が需要をつくり、民間に渡していく「公…

Vol.36 消費増税考 ~順番の違う意思決定と狂った羅針盤~

社長の並木です。去る10月1日に安倍総理が消費税増税決定の発表を行ないました。以前の投稿でもわかるように、私はデフレ脱却前の消費増税には反対でしたので、大変残念です。 順番を間違えた意思決定 安倍首相は「デフレ脱却前の消費税増税はしない」といっ…

Vol.35 「国家の階層」論と日本における「レントシーキング」

社長の並木です。前回と前々回、「レントシーキング」とその背景にある「コーポラティズム」や「資本主義的民主主義」、更にその導入手法としての「ショックドクトリン」を紹介し、「既得権」や「規制」に伴う複雑な問題について考えてみました。 難しい問題…

Vol.34 規制を考える ~米国の医療制度と日本のタクシー業界~

社長の並木です。前回は、主に財政難や天災などを理由に、資本家や企業が政治に対して影響力を発揮し、民営化などの政策変更を行い、既存の利益を奪い取るコーポラティズムやレントシーキング、ショックドクトリンという現象をご紹介しました。今回は規制や…

Vol.33 資本主義的民主主義 ~コーポラティズム・レントシーキング・ショックドクトリン~

社長の並木です。今回は「資本主義的民主主義」について考えてみたいと思います。以前の投稿「Vol.29 世界経済の政治的トリレンマ ~グローバリズムと国内政治の対立~(http://p.tl/A18X)」の続編的な意味合いを持ちますので、関心のある方はそちらもご覧…

Vol.32 2020年東京オリンピック開催決定と国土強靱化

社長の並木です。先日、2020年のオリンピック及びパラリンピックの東京開催が決まりました。今、このタイミングで7年後のオリンピック開催が決まったことを心から嬉しく思います。クーベルタン氏が提唱したオリンピック精神やスポーツの振興も大切ですが、同…

Vol.31 消費増税のタイミング ~税率アップと税収アップの違い~

社長の並木です。最近、消費増税に関する報道が多数なされています。日本の景気回復に大きな影響を与えることですので、もう一度過去の経験やデータに基づいて、この問題を考えてみたいと思います。 消費増税法「附則18条」の存在 消費税は、民主党政権下に…

Vol.30 不安定な資本主義 ~バブル崩壊の歴史~

社長の並木です。今回は資本主義の不確実性とバブル崩壊の歴史を考えてみたいと思います。消費者や企業家の心理によって、過剰期待からバブルが発生し、不安から投資がしぼみバブルが崩壊するという資本主義の持つ不確実性を指摘したのはケインズでした。 バ…

Vol.29 世界経済の政治的トリレンマ ~グローバリズムと国内政治の対立~

社長の並木です。前回は国際金融のトリレンマに基づいて、経済の現代史を振り返りました。資本主義(特に金融)の不安定性や日本のバブル崩壊と今回の世界金融危機の違いなどについては、次回以降で改めて考えてみることにして、今回はもう一つのトリレンマ…

Vol.28 国際金融のトリレンマ ~ブレトンウッズ体制からグローバリゼーションへ~

社長の並木です。前回まで「国家運営」と「企業経営」の違いについて考えてきました。これから何回かにわたって「経済の現代史」を紐解きながら、いまの日本や世界経済の問題点を考えてみたいと思います。このエントリーはVol.15「世界恐慌の教訓 ~歴史に学…

Vol.27 国家と企業④ ~企業の目的と「国の借金」問題~

こんにちは、並木です。前回の冒頭、「企業の目的は理念の実現である」と書きました。「綺麗事ではそうかもしれないけれど、結局利益じゃないの?」と思われた方もいるかもしれませんので、その点の考え方について整理してみたいと思います。 企業の目的と利…

Vol.26 国家と企業③ ~企業の利益と国益の違い~

社長の並木です。前回は「通貨発行権」について考えました。今回は「国家の役割」を踏まえた上で、国家運営と企業との違いについて観てみたいと思います。 国家の役割とは 企業には理念があります。理念はその会社が何を実現したくて存在しているかを示した…

Vol.25 国家と企業② ~通貨発行権~

社長の並木です。前回、企業の海外生産(対外投資)の増加によって、高度成長期と比較し、日本企業の成長が税収面での国家の繁栄、所得面での国民の利益と乖離するようになってきたことに触れました。今回も前回に続き、国家と企業の違いについて考えてみた…

Vol.24 国家と企業① ~対外投資と国民経済~

社長の並木です。少し前の日経新聞に『円安でも海外生産「拡大」 経営者アンケート』(2013/5/11付日本経済新聞 朝刊)という記事が載っており、タイトルを見て暗い気持ちになりました。 安定した所得増こそ「デフレ脱却」 何度かこのブログでも取り上げまし…

Vol.23 感謝と誇りを考える ~安倍首相の硫黄島訪問~

社長の並木です。4月19日に当社の中期経営計画発表会を開催しました。毎期首行っているイベントで、社員が一堂に会し、第一部で理念や昨年度の中経方針に基づいて一年間を振り返り、第二部では役員やマネージャーが全社、部門、チームのビジョン、方針、計画…

Vol.22 大きな一歩 ~大胆な金融緩和~

社長の並木です。4月4日に黒田新総裁の下で初めての日銀金融政策決定会合が開催され、文字通り大胆な「量的・質的金融緩和」が打ち出されたことで、市況が大変好反応を示しています。 異次元金融緩和の概要 異次元緩和という言葉が新聞紙上などで踊っている…

Vol.21 「自由」と「責任」 ~入社式にて~

社長の並木です。当社にも4月1日に5人の新入社員を迎えることができました。彼らの成長が今後の会社の発展を支えてくれるという期待が膨らむ一方、新たに5人の若者の社会人人生と生活の基盤を担うという責任に身の引き締まる思いです。 今日は入社式で彼…

Vol.20 グローバリズムを考える ~ユーロとドイツ~

社長の並木です。国家単位で考えた場合、グローバリズムが行きわたった国の代表例は、米国・ドイツ・中国・韓国など幾つもあげられるでしょう。片や地域で観ると、ユーロに学ぶのが一番ではないかと思います。何しろ、「ユーロという共通通貨なので為替の変…

Vol.19 TPP交渉参加表明に思うこと

こんにちは。並木です。先週末、遂に安倍総理大臣がTPPへの交渉参加を表明してしまいました。今回は別のテーマを考えていたのですが、これまで「TPP反対」「アベノミクス(特に金融緩和と財政出動の2本の矢)には賛成」という意見を述べてきた経緯もあり、現…

Vol.18 新旧経済ビジネス・モデル~新自由主義とグローバリズムの負の「遺産」~

こんにちは。並木です。これまでも何回か取り上げてきましたが、現在の混迷の病巣となった新自由主義とグローバリズムについて改めて考えてみたいと思います。 ■旧経済ビジネス・モデルと新経済ビジネス・モデル 前回もご紹介した中野剛志氏の近著「日本防衛…

Vol.17 消費と投資

こんにちは、並木です。前々回、ケインズ政策や新自由主義についてお話をさせて頂きましたが、各国で新自由主義的な政策(インフレ対策)が打たれ始めた時のインフレ率はどうだったか調べたのが下の表です。 [データ出典:IMF - World Economic Outlook Data…

Vol.16 TPPについて ~政策と議論:両面から考える~

社長の並木です。日米首脳会談が終わり、TPPに再び注目が集まり始めました。TPPは一般に知られているより広範な分野で我々の生活や職に影響を与えます。また、この報道や議論のあり方には特徴的な幾つかの問題があります。このテーマを取り上げることで、「T…

Vol.15 世界大恐慌の教訓 ~歴史に学ぶ~

社長の並木です。今回は、1929年に発生した世界大恐慌と現在の世界同時不況の類似性についてお話ししてみたいと思います。改めて勉強し直してみたら、余りに似ているので驚きました。以前「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という格言をご紹介しました…

Vol.14 「内需主導のデフレ脱却で世界に貢献する」

社長の並木です。前回、日本は巷で言われるような輸出立国ではなく内需大国であり、そこに着目した成長を目指すことで世界への貢献にも繋がるとお話ししました。今回はその点についてもう少し詳しく観てみたいと思います。 ■不況下の輸出重視は近隣窮乏化策 …

Vol.13 デフレ脱却へ ~円安の功罪と内需重視への転換~

社長の並木です。メディアは連日のようにアベノミクスによる円安・株高の話題を取り上げていますが、これまでお話ししてきたように量的緩和が公共投資によって実需となり、デフレを脱却し、雇用が増え、給与が上がってようやく日本経済は健康体を取り戻せる…