社長の「雑観」コラム

MS&Consulting社長、並木昭憲のブログです。 未来を担うビジネスマンや学生の方々に向けて、 政治・経済・社会・経営などをテーマに書き進めています。

Vol.94 主義主張を超えて ~経済対策と日本の安全保障~

一水四見(いっすいしけん) 先日届いた手紙に「一水四見」という言葉が書かれていたので、どういう意味か調べてみると、「人間にとって飲み水にもなる川は、魚にとっては住処、天人には歩くことができる水晶の床、餓鬼にとっては飲もうとすると炎に変わる苦…

Vol.93 一致点を探す政治 ~経済対策と拉致問題~

参議院選挙が終わりました。 今回、東京都選出議員の公約を読みながら誰に投票しようか悩んでいる時に、6歳の息子から「やって欲しいことってなぁに?」と質問され、口にしてみて改めて認識したのですが、「経済対策=公共投資を中心にした大型財政出動によ…

Vol.92 イギリスのEU離脱とポピュリズム

今回は、世界の金融市場に衝撃を与えた英国のEU離脱について考えてみたいと思います。 続:エリートの劣化とポピュリズム 前回、舛添前都知事の問題を題材に「エリートの劣化」について考えましたが、より深刻なエリートの劣化とポピュリズムの症例に思えま…

Vol.91 エリートの劣化

舛添氏の私的流用問題と「エリートの劣化」 東京都知事の舛添要一氏が数々の政治資金の私的流用問題で辞任に追い込まれました。 事の経緯は報道が溢れていますので、食傷気味の人も多いでしょうから割愛しますが、メディアだけでなく、議会でも「せこい」と…

Vol.90 伊勢志摩サミットと「子象と鎖」

伊勢志摩サミット首脳宣言 去る5月27日伊勢志摩サミットが閉幕、首脳宣言が採択されました。今回、議長を務めた安倍首相は相当頑張られたと思います。 まずサミットに先立って各国を訪問し、世界経済の抱えるリスクと財政出動の必要性を訴えました。ドイ…

Vol.89 熊本・大分地震と拉致問題:「危機」と「機会」

熊本・大分の地震で犠牲となられた方々のご冥福を祈るとともに、被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げます。 熊本・大分地震 まず、作家・評論家の佐藤健志氏がブログで紹介されていた、熊本市付近にお住まいの中村龍也さんという方のフェイスブック…

Vol.88 クルーグマン教授の提言

少々時間があいてしまいましたが、前回の「国際金融経済分析会合」におけるスティグリッツ教授の提言に続き、今回は、もう一人のノーベル経済学賞受賞者クルーグマン氏からの提言をご紹介したいと思います。 首相官邸のホームページ「国際金融経済分析会合」…

Vol.87 財政政策の方針転換?とスティグリッツ教授の提言

前回の投稿以降、社業がなかなか忙しくニュースをしっかり追いかけることが出来ていなかったのですが、「消費税再増税の延期」「予算成立後の補正予算編成=財政出動」の方向に舵が切られつつあるようです。 安倍政権のこれまでの経済運営 第二次安倍政権は…

Vol.86 「硫黄島の戦い」と「生きる理由」 / 「成功体験」と「失敗体験」

3月に入り採用活動が本格化してきました。 今回は就活生も含めた若手ビジネスマン・マネージャーの方々に二つのことをお伝えできればと思います。 硫黄島の戦い「死ぬ理由」 この時期になると「東日本大震災」と共に、「硫黄島の戦い」が思い起こされます。…

Vol.85 無謬(むびゅう)神話の壁~失敗から学ぶ価値~

前回はマイナス金利について考えましたが、 ・中国バブルの崩壊 ・原油安による資源国経済の悪化 に加えて、 ・ドイツ銀行の巨額赤字を筆頭に欧州銀に対する不安の再燃 ・米国第4四半期のGDP速報値が減速 などが相次ぎ、マイナス金利の株価や為替に与える影…

Vol.84 日銀のマイナス金利政策とデフレ脱却

日銀によるマイナス金利政策 年明けから続いた株価低迷や世界的な市場の混乱を背景に、日銀は1月29日にマイナス金利導入を決めました。これまでの量的緩和(国債の買い取り)だけでなく、金利による金融緩和に着手したことは評価するのですが、果たして思惑…

Vol.83 波乱の年明け

今年最初の投稿となります。何とか小正月には間に合いました。 遅ればせながら、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 しかし残念ながら年末から年明けにかけて、余りおめでたくない出来事が頻発しています。 昨年末の投稿で、安倍…

Vol.82 今年を振り返って:グローバリズムに関わる問題の噴出

当社も今日で仕事納め。今年最後の投稿となります。 今年一年間、本当に様々なニュースがありましたが、テロの頻発と共に、グローバリズムないし新自由主義の弊害が様々な形で噴出した一年だったのではないでしょうか。 以前、何度かご紹介した「世界経済の…

Vol.81 日本語軽視と議会制民主主義

前回、『英語化は愚民化』(施 光恒著 集英社新書)を引用しながら、日本語を軽視して英語化を進める危険性について考える中で、馬場辰猪氏の言葉を借りて、 「英語を公用語化すれば、国の重要問題を論じることができるのが、一握りの特権階級に限られてしま…

Vol.80 英語教育偏重への警鐘 ~『英語化は愚民化』に学ぶ~

英語教育への偏重:個人・企業と国家の違い 昨今、英語教育早期化の議論が進む一方、大学でも2014年から「スーパーグローバル大学創成支援」プロジェクトが始動し、英語で行う授業数の多寡が重要な審査基準となるなど英語教育への偏重が進んでいるようです。…

Vol.79 アベノミクス第二ステージ!?

アベノミクス第「一」ステージと消費税増税という大失策 9月24日、自民党総裁に再選された安倍総理は記者会見にて、『次の3年間、私は、未来を見据えた、新たな国づくりを力強く進めていきたい。本日、この日から、アベノミクスは、「第二ステージ」へと…

Vol.78 公益資本主義と資本主義・国民経済の未来

今回はまず、ベンチャーキャピタリストで内閣府参与でもある原丈人(はら・じょうじ)氏が提唱する『公益資本主義』についてご紹介したいと思います。 現在の行き過ぎた新自由主義(株主資本主義・金融資本主義・市場万能型資本主義なども類義語だとお考え下…

Vol.77 セイの法則と国民経済 ~『世界を破綻させた経済学者たち』から学ぶ~

『世界を破綻させた経済学者たち』 タイトルに惹かれて、『世界を破綻させた経済学者たち 許されざる七つの大罪』ジェフ・マドリック著(早川書房)という本を読んでみました。 経済学者の名前がたくさん出てくるので読みにくいところもあるのですが、ニュー…

Vol.76 上海ショックと日本経済

お盆明けから「上海(中国)ショック」「世界同時株安」という言葉がメディアを賑わし、どの国の株式市場もボラティリティ(価格変動)が高い状況です。 上海総合指数の推移を見てみましょう。 上海総合 (上海総合) 【0823】 | 株価 チャート 日中足 日足 週…

Vol.75 通説を疑う ~農業と戦後~

今回は農業と戦後という二つの点について、幾つかの情報をご紹介しながら、考えていきたいと思います。 日本の農業は保護されすぎなのか? 一つ目は作家・経済評論家の三橋貴明氏のブログに掲載された一枚の表です。 <ブログ> 日本ほど農業を保護していな…

Vol.74 ギリシャ・中国・アメリカにおける世界経済の政治的トリレンマ+安保法制について

以前の投稿で、経済学者ダニ・ロドリック氏の唱える「世界経済の政治的トリレンマ」というものをご紹介しました。 Vol.29 世界経済の政治的トリレンマ ~グローバリズムと国内政治の対立~ - 社長の「雑観」コラム ・ハイパーグローバリゼーション ・国家主…

Vol.73 ギリシャ危機と緊縮病

7月5日ギリシャで、EUなどが求める緊縮策の是非を問う国民投票が行われ、反対61%、賛成37%という結果になりました。 今回は、ギリシャ危機について考えてみたいと思います。 国民投票の是非 まず最初に「国民(住民)投票」という手法そのものについて考え…

Vol.72 人口問題と財政問題

前回お伝えした2014年度GDP統計の2次速報が発表され、1次速報から若干上方修正されました。 実質GDP:▲1.0%(一次)→▲0.9%(二次) 名目GDP:+1.4%(一次)→+1.6%(二次) 消費税増税によって物価が強制的に上がった影響を勘案した実質GDPがマイナスなの…

Vol.71 あれから一年、、、消費増税の悪影響と財政問題

2014年度GDP成長率 2014年度のGDP統計が発表になりました。 実質では前年比▲1.0%、名目で同+1.4%です。4月に消費税増税が行われた結果、(強制的に物価が上がったため)名目では前年を上回りましたが、物価変動による影響を除いた実質GDPはマイナスに落…

Vol.70 正しいことを、正しい理由で、正しいタイミングで行なう ~書籍『1分間自己管理』より~

今回は少し趣を変えて、以前も紹介した当社のMS&Cスタンダード(※注)の中から、仕事に取り組む姿勢についてまとめたものの一つ『正しいことを、正しい理由で、正しいタイミングで行なう』をご紹介したいと思います。 若手ビジネスマンの方々や、現在就…

Vol.69 イデオロギーの力 2 ~ケインズやオルテガ、先達に学ぶ~

ケインズの語る「思想の力」 前回、イデオロギーの持つ影響力について考えましたが、それについてジョン・メイナード・ケインズが名言を残しています。 「経済学者や政治哲学者の思想は、それが正しい場合にも間違っている場合にも、一般に考えられているよ…

Vol.68 イデオロギーの力 ~保守政治家による「構造改革」~

東京では桜が咲き誇る中、新年度を迎えました。当社にも新入社員が入社し、先輩社員共々、気持ちを新たにする時期です。全国の新入社員の方々のこれからの活躍とご多幸を祈念致します。 財政緊縮イデオロギー:繰り返される反省 さて、前回の投稿で『経済政…

Vol.67 憲法改正と財政規律条項 ~『経済政策で人は死ぬか?』に学ぶ~

憲法改正に向けた動きが本格化しつつあるようです。年始の投稿で「日本人の手による憲法改正の機会が巡ってくるかもしれない」と書きましたが、思いのほか速い展開です。 憲法改正に関する安倍首相と自民党:船田元氏の発言 3月6日の衆院予算委員会では、…

Vol.66 仕事・会社に対する「誇り」と資本主義の未来

『資本主義の預言者たち ニュー・ノーマルの時代へ』 当ブログで度々紹介している評論家の中野剛志氏は、近著『資本主義の預言者たち ニュー・ノーマルの時代へ』(角川新書 ※2009年に出版された『恐慌の黙示録』(東洋経済新報社)の加筆・文庫版)で、ミン…

Vol.65 自称イスラム国による人質テロ事件と脱ダッカ事件

今回はISIL(自称イスラム国)のテロ事件およびそれに関わる報道のあり方について考えてみたいと思います。 今回、犠牲になられた方々およびご家族の皆様に、心から哀悼の意を表します。 呼称について 私はこれまでISISと書いてきましたが、政府・与党の決め…